日常の1

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家に帰ってきて、速攻でベッドへダイブする。 酔っているせいか、スカートのシワなど気にする余裕もない。 化粧が枕につかないよう、重たい頭をなんとか持ち上げると、見たくもないのに壁の時計が視界に入ってしまった。 時刻は午前3時過ぎ。 「うわぁ…」 そのまま目線を横にスライドさせ、3月のカレンダーをみる。 インテリアと化した子犬のカレンダー。 この犬種はなんだっただろうか。 「残り14日…」 また無意識にカウントダウンしてしまった。 カレンダーには何も書かれていないのに、わたしにはその予定がみえている。 もちろん透視能力とか超能力ではない。 もはや書く必要もないのだ。 生まれてから28回も迎えているのだから、忘れたくても忘れられない。 「んーーーんぁっ!」 最後の気力を奮い立たせ、浴室へ向かう。 28才と351日、もう化粧をしたまま眠るわけにはいかないのだ。
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