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おばあちゃんは優しく尋ねた。
「また、お父さんに叱られたの?」
「だって、お父さんてばずるいんだよ。自分はスマホばっかいじってんのに、僕がテレビ観てたら、『テレビばっか観てないで勉強しろ!』って怒鳴るんだよ。
今もさ、スマホでゲームやってんの。それなのに、僕を叱るなんて、おかしいでしょ?」
お父さんは、おばあちゃんの息子とは思えないほど、ものすごく短気だ。
小さなことで、ガミガミガミガミ、すぐ怒る。
「お父さんは自分に甘くて、人にはすごく厳しいんだよ。やってらんないよ」
「そうなのねえ」
「さっき僕が文句言ったら、『お父さんに向かってなんてこと言うんだ!』ってカンカンになっちゃってさ。子どもに指摘されて、逆ギレしてんだよ」
「あらあら」
おばあちゃんは笑った。
顔のシワが深くなる。
おばあちゃんはいつもニコニコしている。
僕がお父さんのことを訴えても、決してお父さんを叱ってはくれないし、一緒に悪口を言ってもくれない。
そこはちょっぴり物足りないけれど、おばあちゃんに話を聞いてもらうと、スッキリする。
それに、自然と怒りも収まる。
ニコニコしているおばあちゃんを見ていると、怒っているのがだんだん馬鹿らしくなってくるからかもしれない。
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