あのバンドが解散するとき

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あのバンドが解散するとき

表面だけの感情。偽りの表情。疲れないのだろうか。 他人の目を気にして他人を軽蔑しながら生きているあいつらを見ているとこっちが疲れてくる。反対に僕のことをあいつらは嘲るように見て軽蔑の対象にしているのは知っている。仲間と接している時の目と僕のことを見ている時の目は明らかに違い、人間を認識する機能が停止し軽薄な顔をしている。たとえ僕があいつらに人間として認識されたとしても僕はあいつらを認識することはない。このまま二年後の卒業まで関わることはないだろう。 しかしこの学校には僕の嫌いな人間ばかりではなく、僕の狭い世界に光を差し込めてくれる存在の人間がいる。彼女は優美で気高く、一見近寄りがたい雰囲気であるが、僕と違って周りの人間から慕われているマドンナ的存在だ。人間嫌いの僕もマドンナとして認めているほど。彼女は入学当初から噂されていて、興味のない僕でも名前くらいは知っているほどだった。僕がまだ彼女を知らない時、廊下を歩いていてすれ違い様にこんなに美しい人間がいるのかと感心した人間がいた。それが彼女だったと後から知った時に、噂になる理由に納得した。     
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