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「チュートリアルとか言ったやつ誰だよぉぉおっ!」
「兄ぃでしょうがぁぁっ!」
振り回される大振りの斧。空気は斬り裂かれたかのごとく鳴り、柄の先端に括り付けられた丈夫なヒモで引き戻せるため、遠距離だろうと関係なくぶっ放してくる。
挙句の果には拳の一振りで大地を割るときた。こんなやつにどう勝てというのか。
「ふ…っざけるなよっ、こんなもんホイホイ投げられてちゃ近づくことすら出来ねぇよっ」
前転で後から迫り来る斧をやり過ごすと、俺の横をもう一つの斧に追われて美海が走り去る。
「ああぁーっもうっ!意味分かんないっ、兄ぃ、死んだら絶対に呪ってやるからっ」
「大丈夫だ、兄ちゃんも一緒に地獄に堕ちてやるからっ」
眼前を通り過ぎた斧が、伸びきった紐を引かれたことによって再びこちらへと向かって来る。
「堕ちるのは兄ぃ1人で良いからぁああっ!」
我が妹は未だに斧との鬼ごっこ中のようだ。
もちろん、俺の方も現在進行形で斧が迫り来るわけだが、ここで1つ気づいたことがあった。
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