20章 闇への餞

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・ 喉元に押し当てられるリドリーの唇を感じながら、閉じたルナの目尻から涙の雫がこめかみに流れた。 リドリーはルナのその様子を気にかけながらも愛撫をそっと繰り返す。 耳に口付け、涙で濡れたこめかみに唇を寄せ、リドリーはルナの額にキスを落とした。 「僕にくれる?」 リドリーはルナの頬を両手で挟んで覗き込む。 「君の血を──…これからずっと…僕に分けてくれる?」 ルナの唇が少しだけ歪んだ。 「だめ?」 ルナは何故か泣けてくる瞼を両腕で隠し、繰り返すリドリーに首を横に振って答える。 リドリーにならくれてもいい── きっと、グレイのように冷たい仕打ちはしてこない。 餌になるという立場は変わらなくとも、多分リドリーならずっと優しくしてくれる筈。 覚悟を決めたルナの手をリドリーは掴むとゆっくりと覆い隠していた顔から剥がしていた。 ルナの返事を聞いたリドリーの手がルナのドレスの裾を大腿まで手繰り上げる。 リドリーの指先が太股の側部をそろりと撫でるとルナは少し身を固くした。 「大丈夫…」 リドリーは安心させるように囁く── 意識して力を抜こうとするルナを手伝うように、リドリーはルナの大腿を外に広げると、下着を付けていなかったルナの秘部に直に指を這わせてきていた。
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