20章 闇への餞

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・ 「……っ…」 ルナは小さく短い声を漏らし腰を微かに揺らし始める。 優しい旋律、手慣れた指先はルナの弱い箇所だけを責めるように優しく擦り始めていた。 「あ、…っ…」 ヒチャ──…と音が聞こえ、ルナの赤い顔を覗くとリドリーの目尻が下がる。 「今、触れたばかりなのにもうこんなに濡れてる……ほら」 「──…っ」 リドリーは秘部を軽く撫でただけの指を魅せ付けるようにルナの前で開いてみせた。 「───…っ…」 リドリーの指に絡む透明の蜜が、指を開いた箇所から糸を引いて雫のように下にぽとりと落ちていく。 それはルナの胸元に小さな水滴となって肌を濡らし、リドリーはそこに口を付けて拭っていた。 「あっ…」 餌の血のたぎりを高める為のヴァンパイアの捕食の儀式。 リドリーの唇がルナの肌を濡らしながらゆっくりと下に降りていく。 ルナは戸惑いの喘ぎを小さく漏らしながら次第に肌を熱くした。 これでいいんだ── そう思い込ませようと目を閉じて自分に言い聞かせる。 ルナは自由になったその身をリドリーに預け喉をコクリと鳴らしていた。
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