20章 闇への餞

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・ 熱い吐息を繰り返す度にルナの血の高まりがリドリーに伝わってくる。 リドリーはゴクリと渇いた喉を溢れた唾液で潤すとルナの脚を大きく開いていた。 一瞬だけびくりとルナの躰が怯えたように緊張した。 リドリーはそんなルナの頬をゆっくり撫でる。 「ルナ…怖くないよ……これからは僕が守ってあげる──」 愛しげに頬をなぞる指先。大人びた色気を垣間見せ、リドリーはルナに覆い被さった。 「あっ…」 小さな声が漏れていた。グレイしか知らなかった幼い躰は容易く別の魔物の雄をのみ込んでいく。 リドリーはルナの蕩ける熱にその身を痺れたように震わせていた。 「──……っ…」 息を詰めて苦し気な表情で何かを堪える。そして切ないため息をリドリーはゆっくりと口から吐き出した。 極上の鮮血だけではない── グレイがルナを手離さない理由が良くわかった。 捕食行為の為の単なる前菜。 その筈が意識も飛びそうな程の快楽をリドリーの躰に与えてくる。 リドリーは驚きながらも目を細め、ルナの首筋に顔を埋める。 「はあっ……グレイ様が何故、君に執着するのかよくわかった…っ…でももうルナは僕のものだ──…」 じわじわと始めて味わった切ない快楽に下半身から蝕まれていく。
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