人魚姫

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 むかしむかし、とても美しい人魚が四匹、海を巡っておりました。  一番上の姉さまは赤い髪をした大人の人魚。二番目の姉さまはまだ少し子供の人魚、黒い艶やかな髪をしています。三番目と四番目は双子の姉妹でまだちび人魚。おねえちゃんは黄色のヒトデ、妹は緑色のサンゴを髪飾りにしていました。  四匹が海を泳ぐたび海の中はお祭り騒ぎ。魚たちは彼女に寄ってゆき、クジラたちは陽気に歌い、海鳥たちは彼女たちの潜る水の上で空を滑りました。  海が華やぐ人魚たちのお通り。それを見たお魚やほかの生きものたちは彼女たちの通るのを、今日か明日かと楽しみにしていました。けれども人魚たちは、楽しく海を巡っているのではありませんでした。とてもとても大切な御用があったのです。 「まだまだ眠くならないよ。人魚はどうして海を巡るの?気になってむしろ眠れやしないよ。ねえママ、もう少しだけお話しして、ねえお願い」
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