点と線

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中瀬は結城の言葉に 『それ、この世には居ないって事?』 結城はハンドル握り運転しながら中瀬をチラ見し 『みんな口にはしないけど、どこか心の片隅には持ってると思う。もちろん生きててほしいけどね。』 中瀬は結城を見ながら 『もしかしたらどこか旅行に行ってるかもよ。』 結城は中瀬の言葉に首を振り 『それ、絶対に有り得ない。』 中瀬は結城を見ながらペットボトルのお茶を飲みながら 『百パーセント言い切れないでしょ。海外に旅行してるかも。』 結城は中瀬の言葉に笑って 『海外に旅行じゃなくて国外逃亡の間違いじゃなくて。』 中瀬は笑いながら 『国外逃亡説、あるかも。』 結城は溜息を吐き 『しかし、この事件は範囲が広過ぎる。』 中瀬は結城の言葉に 『本当に広過ぎよね。それで便利屋さんの軽トラックで走ってるんだもんね。』 結城は赤信号で車を止めて、にっこり笑って中瀬を見ながら 『軽トラックって乗った事ないでしょ?』 中瀬もにっこり笑って結城を見ながら 『うん、初めてかな。』 結城は正面の赤信号を見て 『中瀬さんが来るなら、車乗り換えてくれば良かったかな。』 中瀬は結城の言葉に 『軽トラックだって別に大丈夫だよ。』 結城は中瀬を見ながら 『本当に恥ずかしくないか?』 中瀬も結城を見ながら 『結城君と一緒なら、どんな事だって全然平気だよ。』 結城は正面の信号が青になり車を走らせ 『荷物積めるし、結構馬力があるし、俺は気に入ってる。』 中瀬は結城を見ながら 『軽トラックもなかなか良いものなんだね。そう言えば車の免許って色々持ってるの?』 結城は免許証を胸ポケットから出して中瀬に手渡し 『どうだい?自慢は出来るよ。』 中瀬は結城から手渡された免許証を見て驚きの表情で 『へ〜、これ凄いな。中型、大型、牽引、二種、その他色々』 結城は正面を見ながら 『現場系なら、玉賭け、大型クレーン、大型バックホー、便利屋は何でも持ってなきゃいけないし、何でも出来なゃマズいんだ。』 中瀬はにっこり笑って結城を見ながら 『結城君、かっこいい。』 結城は笑いながら冗談を言う様に 『かっこいいって、今気がついた?』 中瀬は結城の本気か冗談かわからない言葉に笑いながら 『今ので半減した。』 二人が乗った車は茂原北インターから茂原市に入った。 結城は周りを見渡しながら 『この辺りなんだけどな。』 中瀬も周りを見渡し 『あそこにレンタカー屋があるよ。』 結城はレンタカー屋に車を入れた 『よっしゃ、店が見つかって良かった。』 中瀬は笑って 『店よりも車が見つかってほしいよね。』 結城は中瀬の言葉に外方を向き 『見つかってほしいよね。』 二人は店の中に入り 結城は受付の店員に 『すみません、ここのお店にシルバーのワゴン車はありますか?年式は・・・』 店員はパソコンを使い 『わかりました。暫くお待ち下さい。』
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