駅前商店街の便利屋探偵～潮騒の詩～

点と線

店員はパソコンで調べながら結城を見て

『シルバーのワゴン車はうちで取り扱ってます。』

結城は鞄からシャープペンと手帳を取り出して手帳を開き

『10月7日前後でどなたか借りてますか？』

店員はパソコンの画面を確認し

『10月7日前後で、借りてますね。10月5日に借りて、10月9日に返却となってます。』

結城は店員の話しをシャープペンで手帳に書きがながら

『どなたが借りたかわかりますか？』

店員は帳簿を確認し結城に見せ

『この方ですね。』

『えっ、なんでこいつが？』

結城はその帳簿に書いてあった名前に驚いた。

中瀬も驚きの表情で帳簿を見ながら

『な、なんで田上君が・・・返却にも来てる。』

結城は店員を見ながら

『すみません、これ借りても宜しいですか？』

店員は結城の言葉に『少々お待ち下さい。店長に確認を取りますので。』

店員は店長に確認をとり、店長は結城と中瀬の前に来て

『どうぞお持ち下さい。それと、この受付を映してる防犯カメラの映像もお持ち下さい。』

結城は店長と店員に頭を下げながら

『すみません、ありがとうございます。それと、車を借りる時も返却する時も男性一人でしたか？』

店長は結城の質問に

『どうだったかな？他の店員にも確認とってみます。』

結城はまた頭を下げながら

『よろしくお願い致します。』

店長は結城を見ながら

『もし良ければシルバーのワゴン車、暫くそちらに預けましょうか？』

結城はまたまた頭を下げ

『店長さん、それ助かります。お借りします。』

暫くして店員が女性の店員を連れて来た。

『返却しに来た時に女性と一緒だったそうです。申し訳ないけど説明してあげてくれるかな？』

女性店員は男性店員に頼まれ

『はい、わかりました。』

結城はその女性店員に

『女性が一緒だったんですか？女性の顔は覚えてますか？もし覚えていたら、確認してほしいのですが・・・』

結城は鞄から写真を取り出し、カウンターの上に置いて

『この写真の中には居ますか？』

結城は田山、角、大阪、の写真を見せた。

女性店員は結城がカウンターの上に置いた写真を手に取り

『私はその女性の方にお茶をだして、暫くお話しをして出身地が近い場所だったので、それでお話しが盛り上がりまして。顔は覚えてます。この写真の中には居ません。』

結城は女性店員を見ながら

『居ないですか。それなら協力して頂けないでしょうか？』

女性店員は結城の言葉に

『協力ですか？私に出来る事であれば。で、何を協力すれば？』

結城は中瀬を見ながら

『中瀬さん、軽トラックに手下げ袋あったでしょ。持って来てくれないかな？』

中瀬は結城の頼みに

『了～解。』

中瀬は軽トラックに取りに行った。

結城は女性店員を見ながら

『ちなみに出身地はどちらなんですか？』