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角 宏美(38)
スミ ヒロミ
結城達の同級生。
睦沢町に向かう野間口が運転する車中
『中瀬さん、変わらないな。』
運転する野間口が言うと結城は
『確かに変わらないね。あのメンバーの中で一番話しやすかったんじゃない?』
『あのメンバーの中ではね。40近くになれば他のメンバーも丸くなってるだろ。しかしお前何か企んでるだろ?』
『付き合いが長いせいか、よく俺の事がわかったね。もちろん企んでるさ。お前だって企んでるだろ?名刺を渡して、居酒屋大将に誘った時に、考えてる事は同じだと思って笑いそうになった。』
野間口は笑いながら
『水面下で味方を作らないとね。』
結城も笑って
『仲良くなって森山事務所の中身を教えてもらわないとね。どうしても、田山さんの留守番電話の奴の言葉、森山君によろしくとは何をよろしくなのかが気になった。絡んでるのは田山さんだけなのか?聞き方によっては、森山も絡んでるとも聞こえる。』
野間口は
『仲良くなって、森山事務所の裏側も知りたいね。』
結城は冗談混じりに
『その為にはどんどん飲ませて、どんどん食べてもらって。その為には野間口がどんどん中瀬さんにご馳走して。』
野間口は
『何を言ってんだ。二回に一回はお前が出せ。毎回は無理だぞ。』
結城は
『アホな事言うな。なんで俺が出さなきゃならんのだ。』
野間口は
『居酒屋大将も商売だからな。』
結城は
『しょうがねぇな。二回に一回は出すけど、その変わり半額しろ。』
野間口は
『もし、今回の事件は森山事務所の誰かが絡んでたとして、茂原市のホテルでの食事会ってアリバイがあるけど、元刑事のお前の考えは?』
結城は
『それだけど、さっき大門に頼んでアリバイを確認してもらってる。しかし、田山さんは食事会に参加してたなら、途中で抜けてる事になるよな。もしくは食事会には参加しなかったって事もあるし。』
野間口は
『明日、もう一度森山事務所に行くんだろ。森山や大池、角さんが田山さんの一番近くに居たんだし、聞けば教えてくれるだろ。』
結城は
『もし関わってたなら、嘘をつく可能性も多いにあるだろ。確かに森山事務所の奴らが犯人とは決まった訳じゃないけどね。』
野間口は笑って
『40近くになれば丸くなってるかもしれないだろ。』
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