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居酒屋大将
店の中は、お客が数人静かに飲んでいた。
『今日は俺のおごりだからどんどん食ってくれ。』
便利屋純一郎の経営者の結城は居酒屋大将の二代目で親友の野間口が料理を運んで来る姿を見ながら慌てて
『ちょ、まてまてまて・・・夕方にいきなり電話で、今日おごってやるから来いって・・・何の風の吹き回しだよ。お前の事だから、こんな時は何か頼み事があるんだろうけど………』
結城はテーブルに運ばれてくる料理に驚きの表情で野間口に言うと、野間口はにっこり笑って
『わかってるじゃん。それなら話しは早い。今日は俺も一緒に飲むぞ。』
結城は野間口の言葉に店の中を見渡しながら
『飲むぞって・・・お前、店はどうすんだよ。』
結城は野間口が生ビール大ジョッキを持ち一気に飲み干した姿を見て
『ってか、大ジョッキを一気に飲み干しやがった。』
野間口は生ビール大ジョッキを飲み干したあとに最高の笑顔で
『ぷは～、美味い!!この為に１日頑張ってんだよな～。もう一杯・・・』
野間口は自分でもう一杯厨房に入り生ビール大ジョッキを注いで来ると、結城は野間口の豪快さに一瞬言葉が出なかった。
『ちょっと待て!!頼み事ってなんだよ？先に言うけど、出来る事と出来ない事はあるからな。』
野間口は笑顔で結城を見ながら
『ほら、お前もどんどん飲めよ。そうかそうか、お前は日本酒だったな。』
野間口はそう言うと結城に日本酒を持ってきた。結城は日本酒を渡され飲む前に
『飲む前に要件を言ってくれよ。飲んでからじゃ断る物も断れないし、先に言っておくが女紹介と金は絶対無理だからな。』
野間口は笑顔で結城の言葉に
『まぁ、そんな事言わずに一杯飲んでからにしよう。』
結城は日本酒を飲み干し
『一杯飲んだぞ。頼み事ってなんだよ。』
野間口は生ビール大ジョッキを一気に飲み干し
『実はな・・・小川さんの店の事でさ。』
結城は大根の煮物を食べながら
『小川さんの店ってまるやまかい？』
野間口は厨房に入りまた生ビール大ジョッキを手にして戻って来て
『そう、あのまるやま。でさ、明日、俺と二人でお店に付き合ってくれないか？頼む。』
野間口は結城を拝みながら言った。
結城は一瞬野間口の言葉に驚き
『ちょ、ちょっと待て!!何で俺が一緒に・・・ってか、何でまるやまに？』
野間口は生ビール大ジョッキを飲みながら
『実はな、どんな料理を出してるのか、どれだけお客が来てるのか気になってさ。大将二代目として気になるんだよ。一緒に来てくれよ。』
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