記憶

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山谷のアパート 二人が山谷のアパートに到着したのは、夕方遅く周りが真っ暗だった。 結城は鍵を開ける為に針金をポケットから取り出して 『懐中電灯持ってるな。開けたらすぐに玄関閉め・・・あれ?』 野間口は結城の言葉に 『どうかしたのか?』 結城は静かにする様に野間口に合図をした。 結城は耳を澄ませ、玄関に耳を近づけると、小さな声で野間口に・・・ 《何か音がする・・・》 野間口も小さな声で 《山谷が帰って来たのか?》 結城は首を横に振り小さな声で 《山谷じゃないな・・・様子がおかしい。》 野間口は結城の言葉に驚きながら小さな声で 《それじゃ、誰が?》 結城は中の音を聞き分けながら 《空き巣かもしれない。》 野間口は結城の言葉に小さな声で 《えっ?金目のない山谷の部屋で空き巣?この空き巣も見る目ないな。》 結城は野間口を見ながら中の声を聞き、小さな声で 《多分、玄関を針金で開けてるだろうから。どうする?ここで待ち伏せして捕まえるか?中に入って捕まえるか?》 野間口は結城の言葉ににっこり笑って小さな声で 《もちろん突撃だろ。》 結城は野間口の答えに小さな声で 《よっしゃ、久々に暴れるか。多分鍵は中に入ったと同時に閉めただろうから、針金で開けて気づかれない様に入ろうか。》 野間口は不適な笑を見せ小さな声で 《了解・・・》 結城は玄関が閉まってる事を確認し、針金で ゆっくりゆっくり気づかれない様に開け ガチャ・・・ 鍵を開けた後、結城が玄関を開け、野間口が真っ先に中に入った。 『中に居るのは誰だっ!!この野郎!!俺の必殺一本背負い!!』 結城も中に入り 『警察だっ!!大人しくしろっ!!俺の必殺へそで投げるバックドロップだっ!!』 野間口は空き巣犯の腕を捕まえ一本背負いをかけ、結城がバックドロップを決め 『部屋の電気をつけろ!!』 真っ暗な中、結城は野間口に部屋の電気をつける様に言った瞬間、犯人はよろけながら二人に布団を投げつけ 二人はその場にバランスを崩し倒れてしまった。 結城は立ち上がり 『ヤバっ!!逃げられた。』 野間口は慌てて 『俺は追いかけてくるぞ。』 野間口はそう言って、急いで玄関を飛び出し結城は部屋の電気を点け、部屋を見渡した。 こんなボロアパートに空き巣に入るって、空き巣にしちゃ本当に見る目ないな。 ってか、こんなボロアパートに入るって・・・もしかしたら金目の物が目当てではないはずだ。 それと・・・・ふくよかな感触 布団をどかすと免許証が落ちていた。免許証を拾い、確認すると・・・ 『なんでコイツが・・・』 野間口がアパートに戻って来た。 『相手は足が早すぎて逃げられた。』
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