記憶

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結城は野間口に 『感触、気が付いた?』 野間口はにっこり笑って 『もちろん気が付いたさ。あの感触は女だよな。』 結城は笑って野間口に拾った免許証を見せ、野間口も驚き 『えっ!!なぜコイツが・・・?』 結城は笑いながら 『逃げられても大丈夫さ。ただの空き巣じゃない事がわかった。住居侵入と盗みで準現行犯だ。コイツ山谷の件で何か握ってるかもね。』 野間口は結城の言葉に 『どうする?今探してとっ捕まえるか?』 結城は落ちてた免許証を見ながら 『明日で良いんじゃないか?明るくなってからさ。』 野間口は結城が手に持っている落ちてた免許証を見て 『犯人は現場に戻って来るって言うし、待っていれば免許証を探しに来るだろ?』 結城は部屋の中を見渡しながら 『結婚して子供も居るから、戻って来る時間はないはず。遅く帰宅すれば旦那や家族に不信がられるよ。しかもヤツは、山谷の部屋に入った時から相当動揺してるだろ。』 野間口は他に何か落ちてないか畳を見渡して 『見つかって逃げて、相当動揺してるよね。しかも免許証を落としたと知ったら・・・』 結城は野間口の言葉に 『心臓が飛び出る位動揺してるだろね。俺らは警察だって言って飛びかかったし。今日は風呂入って飲もう。』 二人は山谷のアパートを出て太海に帰った。 ・・・ 居酒屋大将、反省会と言う名の・・・ 乾杯!! 『風呂上がりの八海山は美味いっ!!』 『風呂上がりの生ビールは美味いっ!!』 野間口は生ビールを半分飲み 『しかし、山谷のアパートで何を探してたんだ?』 結城は八海山が入ったコップを手に持ちながら 『多分だけど、もしかしたら極秘SDカードかもよ。』 野間口は生ビール大ジョッキを飲み干し厨房に入りながら 『お前はヤツが山谷行方不明事件に関わってると考えてるの?』 結城は八海山を飲みながら 『何もなきゃ、あのボロアパートに用はないだろ。あのボロアパート見てすぐに金目の物なんて無縁だってわかるぐらいのボロアパートだ。』 野間口は厨房から生ビール大ジョッキを手に持ち結城が座っている席に戻り 『そこまでボロアパートって強調しなくても。警察に通報するの?』 結城は野間口の言葉に 『いや、すぐにはそんな事しないよ。SDカードを見せて、かまをかけようと思う。多分何か握ってるよ。もしヤツが正直に話しをしなきゃ警察にね。』 ガラッ 『間に合って良かった。甘えて飲みに来ちゃった。』 『おっ、中瀬さん、いらっしゃい。』 中瀬が店にやって来た。野間口は二人が飲んでるテーブルまで案内した。結城は 『中瀬さん、いらっしゃい。一緒に飲めるなんて嬉しいな。』 中瀬は結城の言葉に笑って 『それ本当かな~。』
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