記憶

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中瀬はビワサワーを飲み 『あの人に二人の爪のアカを飲ませてあげたいわ。』 結城は日本酒を飲みながら中瀬の言葉に 『あの人?あの人って誰?』 中瀬は酔っ払って来たのかビワサワーを飲み干し 『野間口君、飲んでも良いかな?』 野間口は酔いどれの中瀬に 『遠慮しないでどんどん飲んでよ。次は何飲みたい?』 中瀬は酒のメニュー表を開き 『焼酎もらおうかな。二階堂吉四六もらって良い?』 野間口は厨房に入り二階堂吉四六を持って来た。 中瀬は二階堂吉四六を一口飲み笑って 『あの人って名前は出せないけと、千葉県議会に立候補予定のあの人。』 結城は酔いどれの中瀬が出したヒントに笑いながら 『あの人って結婚してるの?』 中瀬はわざと他に聞こえない様に小さな声で 『知らなかった?加勢さんって覚えてない?加勢 和美。』 二人は名前を聞いて驚き結城は驚きの表情で 『え〜っ!?加勢さんと結婚してるの?』 中瀬は笑いを堪えて 『声が大きいよ。うん、結婚して三年になるらしいよ。』 野間口も驚きの表情で 『驚いたな、あの二人が結婚してたなんて。』 中瀬はわざと名前を出さず笑いを堪えて 『でもね、この前奥様と話しをする機会があったんだけど・・・あの人浮気してるかもしれないって言ってたわ。』 結城は飲んでた日本酒を吐き出しそうになり笑って 『あの当時、結構不器用そうに見えたけど、社会に出れば変わるもんだな。』 野間口生ビール大ジョッキを飲みながら笑って 『あの人もよくやるな。でも立場上それバレたらヤバいんでしょ?』 結城は野間口の言葉に 『だって、政治家はクリーンなイメージで居なきゃヤバいんだから、バレたらヤバいだろ。』 中瀬は結城の説明に笑いながら 『あの人の奥様も同じ事を言ってたわ。バレて政治家になれなかったら即離婚だって。』 結城は爆笑しながら 『高校の頃の二人をイメージすると、カカア天下だろうな。』 野間口も爆笑しながら 『十中八九カカア天下だろね。』 中瀬は二人の言葉に爆笑して 『火を見るより明らかってこの事よ。』 結城は中瀬を見ながら 『相手は誰?』 中瀬は首を横に振り 『奥様もそこまではわからないみたい。私も相手は誰かは想像つかない。』 結城は何かを思い出したかの様に 『そうだそうだ、中瀬さんに渡したい物があるんだ。』 結城鞄から小さな物を出し中瀬に渡した。 中瀬は結城から小さな物を受け取り 『これ、御守り?』 結城はにっこり笑って 『これ、ある超有名な神社の御守りで、財布に入れて持ち歩いてると、御利益があるんだって。中にパワーストーンが入ってるらしいよ。』 中瀬は渡された御守りを見ながら 『この御守りの神社って、有名人がパワースポットにしてて、この御守りを財布に忍ばせてるって話しの神社だね。』
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