記憶

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結城は大阪の言葉に情けなさを感じた 『相川先生に声かけられてすぐに逃げたろ・・・調べればすぐにわかる事だし、もしお前さんが警察に連絡すれば自分の首を絞める様なもんだよ。』 大阪は警察と聞いた瞬間顔が真っ青になったのを結城は見逃さなかった。結城は正面を見ながら遠回しに大阪を脅かす様に 『話せないなら、警察に突き出してやろうか?お前さん、逮捕の名目は疑いで逮捕じゃないからね。準現行犯って知ってる?』 野間口は運転席でバックミラーに映る大阪を見ながら 『警察じゃなくても、一般市民でも現行犯で逮捕出来るんだよ。ただの現行犯じゃなく、一般市民の場合は準現行犯になるんだ。』 大阪は無言のまま真っ青になったまま下を向いていた。 結城は正面を見ながら 『あのアパートで何をやってたの?もしかして山谷の行方も知ってるんじゃないのか?ここは昔のよしみとして自主するのを待ってるよ。まぁ、本当の事言えば返す事を考えても良いけどね、後は自分で考えな。』 大阪は無言のまま下を向いていた。 結城は話しを続けて 『もし下手な動きしたら、即警察に連絡するからね。それと、お前さんに関係あるかわからないけど、極秘SDカード はヤツのアパートじゃなく、俺が持ってるから。』 結城はSDカードを大阪に見せた。 ・・・ 野間口の運転で森山事務所に向かっている車中、結城は腕を組み車窓を眺めていた。 『今回の事件、大阪が犯人か?』 野間口は結城に質問すると結城は正面を向きながら 『いや、まだ断定出来ないけど何かしら絡んでるよ。山谷のアパート、隣の女の人の話しで山谷と一緒に居た綺麗な女性が居たって覚えてる?』 野間口は結城の言葉に 『あぁ、もちろん覚えてるさ。その女性が大阪の可能性があるって言いたいんだろ?』 結城は野間口を見ながら 『大阪だと断定して良いと思う。ヤツら二人は何を企んでたんだろ。』 野間口は赤信号で車を停止させ 『大阪を警察に突き出せばすぐに白状するんじゃないか?空き巣の準現行犯だし。』 結城は正面の赤信号を見ながら 『俺も最初はそう思ったけど、少しの間泳がせておこうかと思ってさ。何か掴めるぞ。』 野間口は信号が青になり車を走らせ 『もしかして森山の浮気相手は大阪だったってオチだったら笑えるぞ。』 結城は笑いながら 『森山だって選ぶ権利はある。大阪の為に政治家人生を棒に振りたくないだろ。』
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