記憶

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暫くして森山と大池と角が入って来た。 『久しぶり。元気そうで良かった。』 森山が握手を求めてきた。 結城と野間口は立ち上がり握手に応じた。 大池はにっこり笑って 『まぁまぁ座ってよ。』 大池の言葉に二人はまた椅子に座り、結城が森山達を見て 『本当に久しぶりだね。森山君が地元鴨川市で凄い事をしてる事に最初は驚いたよ。』 森山は笑いながら 『現在の鴨川市はどんどん景気が悪くなってるし、それを阻止して、未来を良くしたくて決めた事さ。』 結城は森山の言葉に 『確かに鴨川市の景気は悪くなってる気がする。そうだそうだ、これ俺の名刺・・・今、便利屋やってるんだ。』 結城は森山と大池と角に渡す三枚の名刺を鞄から取り出してテーブルの上に並べた。 森山は結城の名刺を手に取り 『あれ?警察に入って刑事やってなかったっけ?噂で聞いたぞ。あいつが刑事かよって驚いたよ。』 結城は笑いながら 『いやいや警察官は色々あって辞めたんだ。今は便利屋のかたわら、頼まれて鴨川警察署刑事課の教育係をやってる。』 森山は笑って 『辞めたのは勿体ないけど、色々あったんだな。』 野間口も鞄から名刺を取り出してテーブルに自分の名刺を三人分並べ 『俺は今、居酒屋を親から受け継いで二代目としてやってる。』 森山達も名刺をテーブルに並べ 『みんな頑張ってるんだな。』 結城は森山を見ながら笑顔で 『俺も森山君に負けない様にしないと。』 森山は真剣な表情になり 『しかし、今日は昔話をしに来たんじゃないよね。』 結城はいきなり真剣な表情になった森山を見ながら 『実は田山 洋子の件で来たんだ。』 森山は結城の言葉に 『警察が来て全て話したつもりだけど。』 結城は座ったままわざと森山に下手に出る様に思わせる為に頭を下げて 『俺は独自で捜査してる。協力してくれないか?』 森山は結城の頼みに 『で、何を聞きたいのさ?俺達も事件の件を聞いた時は驚いた。田山さんは誰に殺害されたんだ。早く犯人を捕まえてくれないと困る。』
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