記憶

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結城は森山の言葉に頷き 『それは俺達も同じだ。田山 洋子は最近様子がおかしかったとかは?何でも良い、小さい事でも気がついた事があれば。』 森山は暫く考え 『いたって普段通りだった気がする。』 結城は手帳にメモをしながら 『大池君も角さんも、何か気がついた事はある?』 大池は田山の事で思い出す様に考えたが 『やっぱり普段通りだったよ。』 角は大池同様に田山の事で思いだそうとしたが 『わたしも同じ意見かな。』 結城は三人の話しを手帳にメモをしながら 『田山 洋子が殺害された日はどちらに?先に言っておくけど、誤解してほしくないのはこれはみんなに聞いてる事で、疑ってるってわけじゃないから。』 森山は内ポケットから手帳を取り出して、予定表のページを開き 『あの日は俺らは茂原市のホテルで講演会があってずっと講演会会場に居た。』 結城は森山の話しを手帳にメモをしながら 『その日は田山 洋子も一緒だった?』 森山が角を見て 『それなら角さんが一緒に居たから、角さんに聞いてみて。』 結城は森山を見ながら 『森山君は田山 洋子とは一緒じゃなかった?』 森山は結城の質問に 『講演会でも、ずっと一緒に居る訳じゃないから。俺は他の出席者に挨拶周りをしなきゃならないかさ。ここだけの話し、出席者の挨拶周りは面倒くさい。』 結城は角を見ながら 『なるほど。それじゃ角さんに。田山 洋子とずっと一緒だった?』 角は結城の質問に 『あの日はずっと一緒だったんだけど、夕方になって田口さん急に具合が悪くなって・・・で、部屋でゆっくりしてるって、わたしに言ってから部屋に戻ったわよ。』 結城は角の話しを手帳にメモをしながら 『夕方何時頃?その後、田口 洋子は角さんの前に戻って来たの?』 角はその時を思い出しながら 『時間はだいたい五時ぐらいかな。その後なんだけど・・・それが、一時間ぐらいしてわたしは心配して部屋に戻ってみたんだけど・・・』 結城は角の話しに 『心配で戻ってみたら、田口 洋子は?』 角は結城を見ながらその時を思い出し 『居なかったのよ。置き手紙があって、具合が治らないから帰ります。森山君に伝えたいけど、辛いから連絡無理なので伝えて下さいと書いてあったよ。』 結城は角の口から出た置き手紙が気になり 『その置き手紙は捨てちゃったかな?』 角は自分鞄を開けて 『後で捨てようと思って、わたしの鞄に入れて置いたのだけど、捨て忘れてここにあるよ。』 角は鞄から置き手紙を取り出して結城に手渡した。 結城は角から手渡された置き手紙を見て 『この置き手紙、もらって良いかな?』 角は結城の願いに頷き 『犯人に近づくならどうぞ持って行って良いよ。』 結城はその置き手紙をもらった。 『そういえば森山君達、山谷との付き合いは今でもあるの?』 森山は結城の質問に 『卒業してから全くないよ。山谷がどうした?』
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