記憶

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結城は森山の表情を見ながら 『山谷が今行方不明で。もし知ってたら教えてもらおうかと思ってね。もしかしたら田山 洋子の事件にも関係してると考えてる。』 森山はまったく表情を変えずに 『付き合いは全くないし、卒業してから会ってないよ。』 結城は森山の言葉に 『そっか、わかった。』 森山は腕時計を確認し 『そろそろ良いかな?今から木更津市に用事があってね。』 結城は森山の言葉に自分の鞄を持ち帰る準備をしながら 『そっか、今日はありがとう。済まないね。また何かあれば話し聞かせてほしい。』 結城と野間口は森山の事務所を後にした。 車の中 野間口は運転しながら 『しかし、知らないふりして聞くのも面倒くさいな。森山の言ってる事、信用出来るか?』 助手席で椅子を45度ぐらいにリクライニングさせて座っている結城は 『彼女からの又聞きより、本人達から直接聞いた方がわかりやすい。山谷の件、留守番電話を聞く限り確実に関わってるはずだよ。携帯電話の明細書も含めてね。』 野間口は手で腹を摩り 『山谷の件で小川さんの店に行って報告がてら、何か食べようか。腹減ったよ。』 結城は野間口の話しに 『そうしようか。しかし、山谷、諸見里、田山、森山、大坂、どうつながってるんだろうな。点と点が線で繋がらねぇ。』 野間口はドリンクホルダーに入れた缶コーヒーを手に取り飲みながら 『調べていけば繋がるだろうよ。確かに繋がりがないメンバーだけどね。』 結城は正面を向き 『田山、山谷、諸見里には聞きたくても無理だし、大坂にしか聞けないんだよな。』 野間口はもう一口缶コーヒーを飲み 『ただそれも厳しいよな。大坂本人の免許証をチラつかせても本当の事を言う奴じゃないし。』 結城は笑いながら 『本当に個性豊な奴らばっかりだな。』 野間口は結城の意見を聞こうと 『これからどうするんだ?』 結城は野間口の質問に 『どの方面から、やっつけて行こうかな?大坂から行くか、森山の周りを探るか、諸見里本人を探すか、山谷を探すか。』 野間口は正面の車が停止したので、運転している車を停止させて 『山谷と諸見里だけど、手かがりがないのにどう探すんだ?』 結城は野間口を見ながら 『後で大門に連絡入れて、ホテルからの田山 洋子の足取りを調べてもらいつつ、何か収穫あったか聞いてみようか。』 車はまるやまの駐車場に到着。二人はまるやまの店内に入った。 小川の店、まるやま 二人はボックス席に座った。 小川は二人が注文をしたカツ丼を二つ運んできてテーブルに置き 『注文はカツ丼二つね。』 結城は小川を見ながら 『山谷の件も報告に来たんだけど・・・』 小川は結城の言葉に 『山谷君、どうだった?』 野間口も小川を見ながら 『実は奴、行方不明なんだ。もう少し探してみる予定だけど。』
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