駅前商店街の便利屋探偵～潮騒の詩～

突破口

大門は開いた手帳を見ながら

『田山 洋子がホテルを出たのが5時40分。その前に5時10分ホテルの受付に女性の声で田山 洋子に繋ぐ様に電話あったそうです。』

結城は大門からの情報をシャープペンで手帳に書きながら

『かけてきた女性の電話番号は？』

大門は結城の質問に手帳を読みながら

『番号を確認したら公衆電話からと判明。5時40分にホテルの部屋を出たのをカメラが確認してます。その後、ロビーから外に出たのをホテルの受付が確認してます。』

野間口は大門の情報に

『その後の足取りは？』

大門は手帳を読みながら野間口を見て

『茂原駅の監視カメラを確認したところ本人は確認されずでした。』

結城は手帳から目を離し大門を見ながら

『田山 洋子は自家用車で来たのか？』

大門は結城の質問に

『ホテルに確認したところ自家用車で来てないそうです。四人で森山が所有してる車で来たそうです。』

野間口は腕を組み大門を見ながら

『タクシーで鴨川に？』

大門は野間口の質問に

『茂原駅周辺のタクシー会社に聞き込みをしてますが、田山 洋子を乗せたと言うタクシーはまだ見つかってません。』

結城は大門を見ながら

『タクシーに乗るなら、ホテルに止まってるタクシーに乗るだろ。それならホテル近くで、誰かの車に乗った可能性があるね。例えば電話をかけてきた女性の車とかさ。』

大門は結城の推測に

『それも可能性ありますよね。そうだ先輩方、田山 洋子の携帯電話の明細書と、家の電話の明細書は調べました？』

結城は大門の言葉に

『部屋になかったから調べてない。調べたの？』

大門は開いた手帳のページを見ながら

『田山 洋子の調べた結果、携帯電話と自宅電話に山谷にかけた記録とかかってきた記録がありました。他は携帯電話にも自宅電話にも、無数の公衆電話からの記録もありました。』

結城は手帳にメモをしながら

『公衆電話は特定してるの？』

大門は結城の質問に開いた手帳のページを読みながら

『全部鴨川市内からでした。無数の公衆電話からです。これが公衆電話の場所です。』

大門は結城に場所が書かれた資料を渡した。受け取った結城は

『場所は、安房鴨川駅前、スーパーセンド、長狭街道沿いの農協。それじゃ、ホテルにかかってきた公衆電話の場所は？』

大門は結城を見ながら

『ホテル近くの公衆電話です。この公衆電話付近で待ち合わせした可能性がありますね。』

結城は大門の話しに

『防犯カメラの映像、俺に貸してくれないか？』

大門は結城の頼みに頷き

『わかりました。ダビングしてお渡しします。』

結城は野間口を見て

『なぁ、女性の声って大阪かな？』

野間口は結城の疑問に

『可能性はあるよな。』

結城は野間口の推測に

『防犯カメラを確認作業と、大阪に口を割らせようか。』