突破口

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鴨川潮騒高校 鴨川潮騒高校 ここは結城達の母校で、教室からでも太平洋の荒波が目の前に眺められる創立90年になる高校 三階パソコン室 大原は結城と野間口を見ながらにっこり笑って 『いきなり来てパソコン室を貸してくれって、別に構わないよ。』 結城はパソコンに大門から借りたCDをセットしながら 『先生ありがとうございます。』 大原は結城を見ながら 『お前ね、人の顔を見て言いなさいよ。』 野間口は結城の真横で今か今かと防犯カメラの映像が映らないか待ちながら 『先生、次に居酒屋大将に来た時無料にしますから。』 大原は野間口の言葉に笑顔になり 『よし、それなら許す。』 結城は大原の表情に笑いながら 『先生、現金過ぎですね。』 大原は結城の言葉に笑いを堪えて 『お前らも社会にでて、現実をわかってるだろ。人とはそんなもんだ。』 結城は笑いながら大原を見て 『素の先生を垣間見た気がする。』 野間口も笑いながら大原を見て 『その素を生徒に見せつけてやりたい。』 大原は堪えてた笑いが吹き出し 『そんな事言うなら貸してやらないぞ。冗談はさておき、終わったら俺に声かけて帰れよ。』 結城と野間口は大原に対し 『先生、ありがとうございます。』 結城はパソコンを立ち上げ、ホテルの監視カメラの画像を出した。 『エレベーターホールか。6階となってる。時間は5時5分か。』 野間口はパソコンに映し出されてる防犯カメラの映像を見ながら 『しかし、ここのエレベーターホールは人の出入りが激しいな。』 結城も野間口同様にパソコンに映し出されている防犯カメラの映像を見ながら 『本当だ。エレベーターホールが人が居なくなる事ないね。』 その時、エレベーターから田山 洋子らしき人物が出てきた。 結城はその画像の中の時間を見ながら 『5時5分、エレベーターホールで田山 洋子を確認。』 野間口は結城の言葉に映像の中の時間を見ながら 『5時5分、確かに部屋に戻ったね。』 結城は映像の中の人混みを見て 『本当に人の出入りが激しいな。』 時間は5時10分になり 野間口は映像の時間を見て 『5時10分、ホテルに電話がかかってきてるはず。』 結城は映像を確認して 『で、予定では5時40分前後にこの階のエレベーターホールを通るはず。』 その後、パソコンの中の防犯カメラの映像の中の時間5時40分に田山 洋子らしき人物がエレベーターホールに現れた。 結城は映像の中の田山洋子を見ながら 『5時40分、田山 洋子がエレベーターホールに来たけど、マスクしててずっと下を向いてる。相当具合悪い感じだね。』 野間口も結城同様に映像の中の田山洋子を見て 『片手に大きなキャリーバックともう片方にスポーツ用の鞄を持ってるね。秘書ともなると色々必要なんだろうね。』 画面は変わり、一階エレベーターホールの画像が出てきた。画像が始まってすぐに田山 洋子らしき人物がエレベーターから降りた。 結城は映像の中の田山洋子を見て 『今度は一階エレベーターホールが出てきたけど、5時43分田山 洋子が間違いなく降りてきた。』
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