嵐の前の

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次の日お昼頃、まるやま駐車場 『マジでまるやまに入るのか?』 結城は助手席のシートベルトを外しドアを開けて外に出た。 『ここまで来たんだ、行くぞ。』 野間口も外に出て車のキーをかけた。 ・・・ ガラッ・・・ 『いらっしゃい、あら お二人さんお久しぶりね。今日はどうしたの?』 まるやま経営者小川恵美が二人を出迎えてくれた。結城は小川に 『久しぶりに来たよ。前来た時も思ったけど、今も雰囲気が良い店だね。』 『野間口君も久しぶりだね。そう言えば今は居酒屋さんの二代目だよね。私の作った料理が口に合うか心配だな。』 小川の言葉に野間口は照れた様に 『そんな事ないよ。小川さんの方が俺より料理の腕は上だよ。』 小川は笑って 『それは謙遜だよ。食べて行くんでしょ?座って座って。』 二人は小川に案内されてテーブル席に座った。結城は椅子に座ったあとに店内を見渡した時、あるポスターに目が行った。 【千葉県議会立候補予定、千葉を変える男、森山 大樹】 ポスターの顔が同級生の森山だとわかった瞬間驚いた。 『なぁ、あのポスター・・・』 結城はスマホを操作していた野間口に、アゴでポスターを教えた。野間口も驚きを隠せず 『マジで、クラスであんなにワルだったやつが県議会立候補予定かよ、世も末だな。』 『しかし、ここにポスターがあるって事は、ここに来たって事だよな。』 ・・・ 『ポスター、びっくりした?私も最初はびっくりしたけど、時間がたてば人は変わるものね。』 小川が料理を持ってテーブルに置いた。 結城は箸を取り 『ただ、今でも森山を恨んでるやつも大勢いるんじゃないか?俺は納得行かないな。』 野間口も頷き 『俺も同じ意見。やつのせいで、何人学校を辞めて人生を狂わされたか。』 一瞬小川の顔が悲しい顔になったがすぐに笑顔で 『私の作った料理を食べて食べて。』 ・・・
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