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午前9時、学校のパソコン室
結城は、大門から借りてきた地下駐車場の防犯カメラを確認していた。
『5時45分からの画像を・・・』
画像を5時45分に設定した。
ガチャ・・・
『失礼しまーす。お茶持って来ました~。』
『ありがとう・・・って、熱ある人が何しに来たんだよ。』
中瀬が笑顔でお茶を持ちパソコン室に入って来た。
『仮病使って休んだんだけど、眠れないし暇でさ。で、多分ここだろうと思って来たの。』
結城は中瀬に対しパソコンの画面をに映る防犯カメラの映像を眺めながら
『今日は帰って寝てなよ。』
中瀬は笑いながら
『だから眠れないんだって。結城君は大丈夫なの?』
結城は中瀬が持って来たお茶を開け一口飲み
『慣れてるせいか、二日間は起きてても大丈夫。』
中瀬は結城の真横から画面を覗き
『で、何か見つかったの?』
結城は中瀬の質問に
『案の定、田山 洋子に扮した人物が5時50分に地下駐車場出口からスロープを降りて来た。』
中瀬はパソコンの映像を見ながら
『大きなキャリーバックを持ってるからすぐわかるね。』
結城はパソコンの映像を見ながら
『ここまでは良いんだけど、ここからが。この人物の車を確認しないと。』
中瀬は近くにあった椅子を結城の真横に持って来て
『ナンバーがわかれば、誰の車かわかるよね。』
結城は椅子を自分の横に置いた中瀬もパソコンの映像を見やすい様に少し横に、自分が座っていた椅子を半分横に移動させ
『簡単に捕まる事はしないと思うよ。多分、レンタカーを使ってるかもね。』
中瀬は笑って
『結城君、詳しいね。刑事さんみたい。』
結城は中瀬の言葉な笑って
『元警察官ですから。』
画像は変わり、その人物が車にキャリーバックを乗せ、運転席に乗る姿が映っていた。
結城はパソコンの映像を見ながら
『シルバーのワゴン車だな。後はナンバーを確認出来れば。』
中瀬は結城を見て
『ナンバーを確認出来そう?』
結城は中瀬の質問に
『スロープを上って出口の最後のカメラで映っていれば・・・』
中瀬はパソコンの映像を見ながらまた結城に
『顔も映らないかな?』
結城は中瀬の質問に腕組みをして
『確実には無理だろうけど、だいたいは映るかも。』
パソコンの映像の中で、シルバーのワゴン車が出口付近で一時停止をし
結城はパソコンの映像をじっと見ながら
『あれ・・・ナンバーの平仮名の『わ』だけはっきり映ってる。やっぱりレンタカーだ。』
中瀬もパソコンの画面をじっと見て
『顔ははっきり映ってる?』
結城は画像を出来る限り運転席にズームし、画像を鮮明にしてみた。
『この学校の一番最新式のパソコンで、これが限界。』
中瀬は結城を見ながら
『わかるのは顔の形と髪型だけだね。』
結城は中瀬の言葉に
『このパソコンは、鴨川警察署の鑑識課が使ってるパソコンより数段良い機種ってわかった時は笑ったよ。多分、南房総で一番最新式だと思う。』
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