点と線

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中瀬は鞄から免許証を出し結城に見せ 『免許証、あるよ。』 結城は中瀬の答えに笑顔で 『そっか、あるなら丁度いいや。』 中瀬は結城の思惑をすぐに察知し笑って 『帰り、木戸泉の酒を飲んで酔いどれになって、ぐだまいて飲みまくるから運転頼むって?』 結城は満面の笑みで 『イエ~ス。』 中瀬は笑いながら 『もちろんノーサンキュー。』 結城は中瀬の意外な答えに 『え~、良いじゃ~ん。』 中瀬はまたまた笑いながら 『我慢しなさいよ。』 結城は一瞬中瀬を見て 『大原の裸祭り、一度現地で見た事あるけど、迫力すごいよ。』 中瀬は結城の言葉に 『私は見た事ないけど、ポスターだけなら見た事ある。大原の海に入るのも見た事あるの?』 結城は笑顔で 『それも見たよ。この辺りの祭りの中で祭りに参加してる人数は一番だろうね。』 中瀬はペットボトルのお茶を飲みながら 『都会に出た若い人達は、この祭りの為に有給休暇とか使って帰ってくるらしいよ。他の町の祭りなんか毎年人数が減っていってるのに凄いよね。』 結城はカーナビの指示を確認しながら 『大原の裸祭りは見応えがあるよ。鴨川市の祭りも勝浦市の祭りも凄いけど、大原の裸祭りには勝てないよ。』 中瀬はにっこり笑って結城を見ながら 『私達のところにも有名な祭りがあるけどね。』 結城は缶コーヒーのブラックを飲みながら 『七夕祭りかい。関東三大七夕祭りで有名だよね。よさこいソーラン節の踊り対決は、有名な会社が出てくるよな。』 中瀬はペットボトルのお茶をドリンクホルダーに置き 『年々、結構レベルが高くなってるよ。会社事によさこいソーラン節の部活があるんだって。』 結城は缶コーヒーのブラックを飲み干し 『会社で部活まで作ってるならレベル高いやな。そういえば、榎戸商店街のアーケードはもう作らないのかな?』 中瀬は正面を向き 『あのアーケード、雨の時は凄い助かったんだけどね。古くなって撤去しちゃって。雨降った時は不便過ぎるよ。』 結城は中瀬の言葉に 『また作ってほしいけど、茂原市は財政が良くないんだろうね。』 ……………… 田山 洋子の実家 田山 洋子の母親が出てきて部屋に通された。 結城は、悩んだ末に田山 洋子の両親に正直にキャリーバックで遺体を運ばれた事を伝えると母親は号泣した。 キャリーバックは、まだ捨てずに実家に残っていた。 結城はキャリーバックを借りた後、両親達に必ず犯人を捕まえる事を約束した。 キャリーバックは外で待っていた大門に託し 『先輩、帰って即鑑識に調べてもらいます。』 結城は大門の言葉に 『わかり次第連絡待ってるから頼むね。』
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