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帰りの車の中
結城は車を運転しながら
『昼過ぎちゃったから何か食べようか。ご馳走するよ。』
助手席に座っている中瀬は申し訳無さそうな表情で
『今日は私がご馳走するからどっか寄って。』
結城は中瀬の言葉に
『それなら、すき家とか吉野家で良いよ。』
中瀬は結城のセリフに笑いながら
『もう少しグレード上げても良いんだけど。』
結城も笑いながら
『アルバイトの中瀬さんの収入を考えたら、すき家か吉野家かと。』
中瀬はにっこり笑って
『私、結城君が思ってるより、もう少し収入はあるから大丈夫だよ。』
正面の信号が赤になり結城は車を停止させ
『勝浦市のバイパス近くのファミレスにしようか。』
中瀬は結城を見ながら
『うん、それで良いよ。』
………………
勝浦市のバイパス近くのファミレス。
中瀬はナイフとフォークを持ちハンバーグを一口サイズに切って食べながら
『そういえばさ、ナンバーがはっきり映ってなかったのにどうやって探すの?』
結城は手でピザを食べながら
『色と車種とレンタカーってわかってるから事件前に借りて、事件後もしくはまだ借りてる人物がわかればね。』
中瀬は飲み放題のジンジャーエールを飲みながら
『犯人自らは借りてないよね。借りたとしたら後々にバレるもんね。』
結城も飲み放題のコーラを飲みながら
『俺が犯人の立場なら誰かに頼むし、事件のあった鴨川では借りないよ。』
中瀬は結城を見ながら
『探すのに宛てはあるの?』
結城は立ち上がり飲み放題のコップを持ち
『サイトでレンタカー屋を調べて片っ端から探す予定。今日は中瀬さんは帰りなよ。飲み物入れてくる。』
結城が飲み放題の飲み物を持って来て中瀬は先ほどの結城の言葉に笑って
『さっきの答えだけど………い・や・だ。一緒に行く。何か思い出しても教えないよ。』
結城は中瀬の言葉に
『しょうがないな。』
中瀬はにっこり笑って
『私も一緒に行くからね。そうだ、私が結城君のところの便利屋さんでアルバイトすればいいのか。』
結城は中瀬の言葉に笑いながら
『そんな事したら俺が森山達に一生恨まれそうだから、それはやめてくれる・・・?』
中瀬は笑顔で結城を見ながら
『どうしようかな~。昔のCMで憲法12条、職業選択の自由~ってあったもんね。』
結城は中瀬の笑顔に裏が見えたのか
『一瞬、中瀬さんが悪魔に見えた。』
中瀬は結城の言葉に笑って
『可愛い悪魔でしょ?』
結城は外方を向き
『黙秘権を行使します。』
中瀬は笑いながら
『結城君に黙秘権はありません。』
結城は立ち上がって
『それじゃ、行こうか。』
中瀬は結城の言葉に
『ズルい、話し変えた。』
結城は自分の鞄を手に持ち
『一緒に来るなら行こうよ。今日は数件巡るから。』
中瀬は慌てて
『ちょ、ちょっと待ってよ~。』
結城はにっこり笑って
『早く来ないと置いてくぞ~。』
中瀬は結城の言葉に慌てて
『会計済ませてくから待ってよ~。ここに私を置いて行ったら結城君を一生恨むからね〜。』
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