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いくら、卓が懇願しても、男は責め手を緩めない。卓の背中や尻、太股に真っ赤に燃えた火箸を押しつけていく。
「やめてください。ぎゃあああああああっ……痛い。痛い。やめて。ごめんなさい。ごめんなさい。僕が僕が悪かったんです。ごめんなさい。やめて……」
それでも、男は、まるで機械のように黙々と、卓の背中に黒い焼け焦げを作っていく。何度も焼け火箸を押しつけられたそこは、ケロイド化し、醜い跡となっていった。
「ぎゃあああああ……痛い。痛い。ごめんなさい。やめてください。ごめんなさい。話します。全部、話します」
卓がそう言ったとき、男の責め手はぴたりと止まった。
「話す気になったか。よし……竹内はどこにいる?」
「えっ?」
「竹内は、どこにいるんだ?」
「わからない。知らない……竹内さん、どこにいるの。助けて……竹内さん」
すると、男はまた、焼け火箸を、今度は卓の右頬に押しつけた。あまりの痛さに、卓は、ギャッと叫び声を一声上げた後、昏倒した。
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