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―ピチャン...
これは...水の音?
心地いい滴の音が遠くで聞こえる。
重い瞼をゆっくりと持ち上げれば、天井が視界に入る。所々木が腐り、隙間から星空が見えていた。
「ここ...どこ?」
私、何してたんだっけ?
仕事を終えて、いつも通り歩いて帰って...
ゆっくりと体を起こせば、体には布団が掛けられていた。どこか湿っている布団は古く至る所破れている。
ぐるりと周りを見てもまるで古びた空き家のような部屋で、どうしてここにいるのか分からない。
何か大切なことを忘れてる気がする...
もう一度記憶を辿ろうとした時―
「目が覚めたんだね?」
ペタリペタリと足音をさせながら、幼い顔立ちの少年がやって来る。
「あ...!」
暗がりでも分かる黄金色に輝く瞳を見て、忘れていた記憶が蘇った。
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