陰陽の守り神

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「あれ?まだ出店出てる」 「こちらはそんなに長くするのか?」 「街によって違うけど……。あ、ポスターだ」 『新年祭』と書かれたポスターの下に、出店は3日までと書かれていた。 「お爺ちゃん、僕階段無理だから回っていかなくちゃ……」 「そうじゃの、前の下宿から行くとするか」 まだ建物も残っていて、その裏道から神社に入ると沢山の屋台が並び、冬弥は眠そうに屋根の上でお神酒を飲んでいた。 「金、銀。冬弥さんに知らせてきてくれる?」 「また綿あめ買ってくれる?」 「うーん、飴でもいい?」 「よし、銀行くぞ!」 二人がふわっと浮いて冬弥の方に行き、こちらを指さすと、手をブンブンと振っている。姿が見えないので、こちらから手を振るとおかしな人に見えてしまうと思い笑って誤魔化すが、参拝に来ている人はかなり多い。 「かなりの混みようじゃな」 「僕も受験の前にここでお参りしたんだよ?」 「ほう。どれどれ……」と絵馬などを見て、ここは受験の神様じゃないんじゃが……とブツブツ言っているので、多分みんな近いからきてるだけだと思うと言うと、そんなものなのか……と肩を落としていた。
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