陰陽の守り神

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たくさんのご馳走とともに、みんなでゲームしたりして遊び、夕方まで騒いでから自宅に戻ると、部屋にリラックスチェアが置いてあった。 座ってみると硬すぎず柔らかすぎず、リクライニングもついていてとても座り心地がよかった。 「ゆっきー、おめでとう」と紫狐と珍しく橙狐が出てきて、みんなからですと箱を二人で持っている。 「みんな?」 「冬弥様と栞様のお狐と、金や銀に翡翠や白と黒からです。私たちは習慣がないので……」 ありがとうと箱を開けると、頑張って書いてくれた金達の絵と、木ノ実や手作りの肘当てなども入っていた。 肘当てというよりはカバーだったが、雨の日に車椅子につけて欲しいと、女の子の狐が縫ってくれたという。 「漆様と琥珀様からはこれを預かってます」 黒と白の鈴のついた石のストラップに見えるが、少し透き通っている。 「黒は漆様、白は琥珀様の力がこもっていて、邪気を祓ってくれます」 「鞄につけるよ。ご利益ありそう。直接お礼言えたらいいんだけど」 「それについては『要らん』との伝言ですよ?」 「なんだか分かる気がする」
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