手術

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何日がすぎ、那智が物凄く怒った顔で「なぜ誕生日を教えなかった!」と怒鳴り込んできて、強制的にに買い物に連れていかれ、たくさんの服を買ってくれる。 「もう16だ!服にも気を使え!」 そう言ってインナーから下着、靴下に至るまで全てを買い、かなりの荷物を部屋に運び込まれ、開けたクローゼットを見てため息を付かれる。 「これだけしか無かったのか……」 ガラガラのクローゼットに狐ちゃんたちが値札を外してハンガーにかけ、しまうものは閉まってくれ、長袖から半袖までオールシーズンも使わなくていい位いっぱいになった。 「あの、ありがとうございます……でもこんなに着れな……」 「週に二度は学校へ行くんだろう?病院は動きやすい格好でいいが、出かける時には少しはお洒落をしろ。冬弥は着物ばかりだし、栞は質素だし、あの兄弟に任せたらとんでもない格好にされる……」 「こんなにあったらどう着ていいかわかんない……」 「杏香。コーディネートして掛けておけ」 「畏まりまして」 杏香と呼ばれた綺麗なお狐のお姉さんぽい人が、ハンガーにかけ直してくれている。 「掛けてあるまま着ればいい。サイズが変わったらまた買いなおせばいいしな」
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