夜空への願い事

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僕は生まれつき、背中に蝙蝠のような翼が生えていて、飛ぶ事もできる。 目は血のように赤く、歯は獣のように鋭い。 爪も同様に尖っていて、少し掠めただけでも、傷ができてしまう。 だから僕は、生まれてから抱き締めた事も、抱き締められた事もない。 相手の体が傷付いてしまうし、僕の心も傷付いてしまうから。 見た目によらず、結構繊細なんだ。 相手を傷付ける為に生まれてきたワケじゃないのに、なぜ僕はこの姿で生まれてしまったのだろう。 この姿のお陰で、僕は恐れられてしまっている。 本当は、みんなと仲良くしたいのに。
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