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  「お星様、どうかあの考えなしの阿呆共に人並みの知性を」  ってあほか。そんな程度であの両親が、担任が、いじめっ子がキラキラ魔法にかかるわけがない。というか、星空はいつから願い事を叶える対象になったんだろうね。それなんかより化学の方が人の願いをかなえてくれているのに。  血液検査でがんを探知できるとか、VRによる活気的なゲーム技術とか全て。化学の星に願い事をする方がよっぽどいいって話だ。月の輝きは私の世界を照らさない、あれに幸せなんか求める方が間違いだって。  もういいや、寝てしまえ。  どうせこれ以降にろくな番組はやっていない。  そう思った午後11時56分。    私は夢を見た。  人はすべて星になってしまった。幾数年なんかかけなくても人は石化またはガスになって、宇宙空間を漂い出した。  目の前にいじめたあの子がいた。顔はモザイク、色も白黒。ただ気味悪くて殴ろうとしたら、届かなかった。何故かって? わかるでしょ?  我々は星なので、実はその距離が16光年はなれていることに。    でもって私の目に映るあの子星の光は実際には16年かかって届いた光で、本当の彼女はとっくに宇宙ダークマターによって取り込まれ崩壊しているかもって気が付いた。    それの真否に16光年かかることも気が付いた。  あー、はは。待ってられねー。  そして私の意識がフェードアウトした。
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