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麗は愛に向きなおると、娘の異変に気づいた。
小さな指で、何度も目をこすっているのだ。
「愛、そんなにお目目をこすっちゃ・・・・」
麗の目に、突然激痛が走った。
目が、破裂してしまうかと思えるくらいの激痛。
何がどうなってしまったのか、わからなかったが、
麗は、目を押さえ、うずくまるしかなかった。
やがて、あっさりと意識を手放した。
何か騒がしい音がする。
麗はゆっくり目を開ける。
目の前には、タイル張りの床。
どうやら、気絶して、床に倒れこんでいたらしい。
フラフラする体を無理やり立たせると、
騒がしい音の正体に気づいた。
レストラン備え付けの大型テレビの音声だった。
画面には、街中で目を押さえながら走る人、うずくまる人、
騒いでいる人・・・人目でパニック状態だとわかった。
麗は、目を押さえる人々の映像を見る内に、
自分の目も激痛だった事に改めて気づいた。
だが、今は、痛みもない・・ようだ・・・普通に見えるし・・・。
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