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それは、動いていた。
形は円形、球形、不定形、弧形等様々。
色は、ほとんど無色。
それは、見えるはずのないもの
細菌、病原菌が見えてしまっているのだ。
それらは、無数に、いや、無限のごとく
空気中を徘徊している。
「な、なん、何・・・・・」
麗は、しばらく言葉がでなかった。
だが、頭の中では、めまぐるしく思考が繰り返されていた。
あれは、何?ウイルスか何か?何故見えるの?
私、病気?何か感染した?でも、周りの親子も同じみたい。
じゃぁ、集団感染?いつ?何で?うちの子にも・・・・・愛・・・・・
「愛!!」
麗は愛を抱寄せる。
「みないで、みちゃダメだから」
麗は、愛の目を手で覆う、が、
愛は、その手を振り払い、
無数の細菌鑑賞を続けだした。
「・・・愛?・・・」
愛にとっては目に見えるもの全てが、好奇心の対象のようだ。
麗は、途方に暮れた。
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