0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
この状況をどうしたらいいのだろう。
麗は頭をかかえた。
集団感染とはいえ、今のところ症状は、
細菌や病原菌が見える事だけのようだが・・・
それが問題だった。
原因も、理屈も、さっぱりわからないが、
日常において、見えなくていいものは、
見えないままであってほしかった。
何ともいえない不安が押し寄せる。
こんな状況の中、生きていけるのだろうか?
元には戻らないのだろうか?
麗は、すがるように愛の体に顔をうずめる。
「・・・愛・・ゴメンね・・ママね、このウイルスみたいの、
消す方法が、思いつかなくて・・・・」
そう言うと、思わず涙がこみあげてくる。
「ママ」
最初のコメントを投稿しよう!