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きっかけは、幼かったカレの一言だった。
『どうしてデザートはないの?』
当時『グリル ゆさ』の店主だった遊佐直樹の父は、答えに困ってしまった。
なぜなら彼自身、甘いものが苦手で作ったことがなかったからだ。
幸い今までメニューにないデザートを頼む人もいなかったから、作らないで済んでいた。
だから彼は断ろうとしたのだが・・・・・・
次のカレの言葉によって作る決心をしてしまう。
『マスターがつくったらきっとおいしいのに』
とっても楽しそうにそう言ったカレの名前は、神田聡。
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