彼の甘い味が好き

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――それに・・・・・・ デザートを作ったとして、聡に渡すのが遊佐は何だか気が重かった。 遊佐は聡のことが苦手だった。 いや、どう反応してやればいいかが分からなかったのだ。 黙っているときの自分が怖い雰囲気であることを、自覚していた。 だから幼い聡が無邪気にじゃれてきた時、余計にどうすればいいかが分からなかった。 そして『相手を怖がらせるぐらいなら距離を置いた方がいい』と思っていたのだった。 しかし『高熱で何日も寝込んでいる聡のリクエストになんとか答えてやりたい』とも思った。 だがしかし、甘いものが苦手な遊佐に思いつくデザートはなかった。 そして考えること3分。 「もしもし」 『もしもし』 「あ、透?」 『遊佐くん?・・・・・・何?どうかした?』 電話の相手は城山透だった。
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