1. 再会

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…気持ち悪いな 容姿をバカにされることにはいい加減慣れたけれど、ここまで面と向かって無遠慮に謗りの目を向けられれば、当然ながらいい気はしない。 一つにまとめてはいるが腰にかかるほど長く伸ばした髪、どんなに日に晒されても焼けない肌、自分自身ですら性別を間違われることに納得してしまう女顔。 どう贔屓目に見ても男には見えないと、自分で分かっている、けれど。 配慮という言葉を持ち合わせない連中に嫌気が差すのは、何年経っても変わらない。 さっさとやり過ごそうと口を開きかけた矢先。 「その顔で男とかありえねーわ、いっそ性転換でもすれば?」 「たっは、そしたら俺の彼女にしてやるよ」 「お前もう彼女いるだろーが。抜け駆けすんなよ」 …地雷。 ふつりと、身体の中で何かが沸き立つ音がして。 一つ、二つ、三つと数える頃にはぐらぐらと煮え滾っていた。 急激に昇っていく血液が頭からつま先まで熱をもたらし、けれど対蹠的に思考はどんどん冷え切っていく。 ふっつりと千切れた理性が再び色を取り戻すのには、少し時間がかかりそうだった。    
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