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昔から、不思議な力があった。
望んだものを何でも映し出す瞳。
瞼の裏に映る世界。それは遥か遠い未来のビジョンになり、時には全く知らない過去にもなり得る。
あるいは、どこにいるかも分からない赤の他人の思考まで。
望めば望んだだけ、観ることができた。
それが『普通』じゃないと気付く頃には、周囲には誰一人いなくなっていた。
異質で、歪で、異常で、異端。
どうして自分だったのだろう
この力は何のために与えられたのだろう
その答えを得るのはもう少しだけ、先の話。
歯車はすでに動いている。
君と出会ったその時から、幾何の日々を超えて。
もう一度、君に恋をしよう。
決して叶わない、ちっぽけな恋を…
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