流星山の夜空に「具体的な」願いを

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 俺は病院に行き、治療を受けた。しばらく激しい痛みに悩まされ、腕に大きな腫れが残ったが、アナフィラキシーショックの症状は出ていないとのこと。ひとまず最悪の事態を回避できたことに安堵する。  翌日の朝、俺は朝食を取りながら考えた。  どうして蜂に襲われたのだろう。追跡して刺してくるなんて異常だ。新種の蜂かと思ったが、治療した医師も「オオスズメバチだろう」と言っていたし……何がどうなっているんだ?  うんうんと唸って考えるが、結論は出なかった。  考えるのをやめ、食器を片付けようとした、そのとき。 「あ」  唐突に閃いた。  もしかして、あの蜂はメスだったのではないだろうか。 「おしりが大きくて、Sで毒のある女……まさか、こんな形で願いが叶うとはな」  なるほど。想像力を働かせて、ちゃんと「人間の女」と断定しなければいけなかったというわけか。俺はまんまと「願いに喰われた」らしい。 「はぁ……融通の利かない流れ星だな」  嘆息し、窓の外を見る。  一匹のオオスズメバチが、飛び回りながらこちらを見ていた。
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