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◆
星に願ったあの日から一週間がたった。
未だに彼女はできない。それどころか、女性との出会いもない。
いくら例の流れ星に願ったとはいえ、やはり自分からアクションを起こさないと駄目なのだろうか。
それとも、噂は所詮噂で、願いを叶えてくれる流れ星など、最初から存在しないのだろうか。
日曜日、沈んだ気分で住宅街を歩いていると、視界に何かが飛んできた。
「うわっ、蜂!」
しかも、かなり大きい。体に比例して針も太い。もしかしたら、オオスズメバチじゃなかろうか。
身の危険を感じ、慌てて逃げる。
しかし、オオスズメバチは追いかけてきた。
「な、なんでこっちに来るんだよ!」
走っても走っても、オオスズメバチは俺の周りをぶんぶん飛んでいる。
スズメバチは攻撃的な性格だと聞く。ただ、それは巣の近くにいればの話だ。巣を守るため、積極的に人間を攻撃することはあれど、敵意のない人間を追いかけてくるのはおかしい。
もしかして、オオスズメバチではなく、違う蜂なのか? スズメバチ以上に攻撃的な、新種の蜂なのではないか?
考えていたときには、もうすでに刺されていた。
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