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その後編1 「カップル事情」(つづき)
「じゃあ、言って? 恭平って」
だが今度も、やっぱり私は固まった。
それと同時に、自覚できるほど顔が一瞬で上気する。
すると、「はあ……」と大きく溜息を零した先輩が、
私の胸の上に顔を突っ伏した。
「俺、もう『先輩』って呼ばれんの、無理。俺も、お前だけの呼び方がいい」
なんか急に駄々っ子のような事を言う彼に、私も困惑する。
「でも、そんな事言われても……」
しかし私が呟いた途端、再び大きく息をついた彼が、私の目の前に戻ってきた。
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