その後編2 「桜の中で」

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その後編2 「桜の中で」

川澄恭平、25歳。 実は、マイカと付き合い始める少し前に誕生日を迎えた。 そのため、残念ながら今年は、彼女に祝ってもらえてない。 まぁ、誕生日は来年もまた巡ってくる。 と、大人な顔をした俺は、実際、社会にも慣れ ようやく自分も、一端を気取れるようになったと思っていた。 にも関わらず、真実は、こんなにも己を知らないアホだった ということを最近知り、内心、少くなからずショックを受けている。 大人という年齢に達してみると、人間形成というものには 育った環境が大きく影響するものだと思い知る。 事実俺も、母親が病弱だったということもあり、 幼い頃は、周りよりも早く「子供」という状況を捨てたと思う。 そして、父親の恋愛や再婚にも「大人」の顔をしていたせいか、 俺自身、自分を結構、冷めた人間だと思っていた。 だが実は、意外に一途で純粋な熱さを持った人間だったということが マイカとの再会で明らかになった。
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