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だから縁故(コネ)は嫌いなんだ。
「なっ……現場の事を知りもしないでよく言えますねっ。苦情を言いたいのはこっちの方ですよ」
部長に食って掛かろうとする課長を止めて、「別にそれでかまいません」と伝えて部屋を後にした。
「安崎はあれでいいのか。どうして何も言わないんだ」
課に戻る前に課長がイライラと足を止めて私を振り返る。
「お前が人一倍頑張っているのはみんな知っている。もっとアピールしないと、いいように使われるだけだぞ」
アピールしたってどうせ何も変わらない。母に何を言っても私の声が届かないのと同じで。
事実、課長だってどうにもできなかったじゃないか。
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