3.社長の工藤さん

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 なのにどうして思うようにいかないの!   「安崎さん!昨日の彼とはもう結婚の話はすすんでるの?」    なんてこったい。出勤するなりエントランスで同僚に囲まれてしまった。   「もう、昨日はその話でもちきりでさー」    やっぱりそうか。社長交代とか会社が変わるとかの話はどこいった。  同僚に囲まれながらエレベーターに乗り込むために待つ。   「安崎さん、彼氏いるとかそんな話を全然しないから」   「か、彼氏なんかじゃないっ!」    矢継ぎ早な質問に目を白黒させながら、かろうじて反論。   「そうだよねー。フィアンセってことだもんね」    違うっ!   「あの、将臣くんはただの従兄で……」   「江無田がさ、安崎さんに全然相手にされないのも分かるよね!」   「そりゃそうよ、あんな素敵な彼氏に溺愛されてたらさー、M男なんて鼻にもかけないわよ」   「だから彼氏じゃにゃいですって!」    噛んだ!  
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