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またしても俺の企みは崩れ去り、しっとりした洋楽の流れるいい雰囲気の店内も、すっかりいつもの飲み会と化してしまったワケだが…
それはそれで楽しいもので、あっという間に時は過ぎていた__
「大神課長、私ね……ヒクッ。
ああ、今年のクリスマスも『ボッチ』かって…ずっと思ってたんれすよ」
ダンッ。
相当酔いが回っているらしい。
眠たげに目の座った赤野は、強めに杯をテーブルに置いた。
「ハハハ…そうだろう、そうだろう」
まだ半分残った杯に、俺は相槌を打ちながら、手早にシャンパンを継ぎ足した。
その隣では、
「おねーさん、ワインのおかわりっ!」
既に泥酔状態の熊野がテーブルに突っ伏し、ウェイトレスを呼びつけている。
_熊野、ワリカンだからな_
ジロリと一瞥していると、赤野がグラスに口をつけながら話を続けている。
「それが!
なんと今年は、社内ランキング
『抱かれたい男ナンバー3』
のオオカミさんに誘われたんですよ?自慢もしたいじゃないですか、ねー」
ふぅん。
「俺は3か…」
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