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「じゃあ、すまんっ」
俺はさっと彼女から離れると、レジに向かって踵を返した。
手早く支払いを済ませた後、ふと思い出し、席に戻る。
「……?」
まだポンヤリと頬を押さえていた彼女は、不思議そうに焦点の合わない瞳を向けた。
「……これ。
オマエなら、完食出来るだろうから」
隠し持っていたプレゼント。
「じゃあ、また明日」
俺は大きめの白い紙袋を彼女の膝の上にポンと置き、再び外へと駆け出した。
ガサゴソと紙袋の音をさせながら、背中に小さく呟く彼女を残して。
「オオカミさん。
7号は一人じゃムリですよ……」
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