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「私_」
「う、うん」
彼女がすうっと息を吸った。
あわせて俺も息を吸う。
「スミマセンっ、課長の風邪。
私のせいだと思うんです。
私が総務のコ達の前で、メチャクチャ自慢したから!」
…は?
「次の日。
課長、エライ水浸しになってましたよね?!
なんか『派手に濡らすと、大神さんに誘って貰えるらしい』
という噂が広まったらしく…
本当にスミマセンでしたっ」
45度に頭を下げ、ピタッと留まった彼女に、俺は震えが止まらなかった。
_なんかおかしいと思っていたが。
赤野、またもやオマエかあ!_
怒鳴りたいところだが……
今日はもう気力がない。
「まあ、いいよ」
俺は再びソファに寝そべった。
景色がボンヤリ霞んでいる。
ようやく頭を上げた赤野が、心配そうにこちらを見ているのが分かった。
「課長、ちゃんと病院行きました?
お薬飲んでます?」
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