第7章 ブラザーフット(つづき)

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「だって、昨夜(ユウベ)、冠くん、疲れて寝ちゃったでしょ?  だから……」 「でも、明日から……」 そう。 現地で待ち合わせといえども、明日は、私たちからのおもてなしの為に 早朝に車を借りて軽井沢に向かう。 そして、あちらでは二泊の予定。 それを気にして我慢していることは、十分わかっていた。 だから、 「うん。だからね、夜だと疲れが残っちゃうといけないから今からしよう?  それと、今晩のご飯は手抜きでもいい?」 ナッちゃん……。 呟いた彼の顔が、微かに歪んだ。そして、 「ご飯は、僕が作る。それと、明日も車で寝ていって。 でも……、でも、本当にいいの?」 「うん。だって、この週末は、みんなと一緒だから出来ないし。 帰ってきたら、翌日からお互い仕事でしょ?」
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