第7章 ブラザーフット(つづき)

4/39
前へ
/39ページ
次へ
おはよう――。 翌朝、のっそりと彼が起きてきたのは、 もう、お昼になろうという時刻だった。 「おはよう。よく眠れた?」 明日のバーベキュー用の下準備をしていた私は、キッチンから声を掛ける。 だが、 うん――。 ぼんやりと頷いた彼は、そのままのっそりと顔を洗いに出て行く。 結局、昨夜、食事と入浴を済ませ、私が寝室に入っていくと、 余程、疲れていたらしく、彼は既に静かな寝息をたてていた。 それでも、私が髪を乾かし終えるのを待っていたのだろう。 彼の枕の脇には、小さなパッケージが置かれてあった。 だが、食事の時に話してくれた出張中の作業は、随分と大変だったようだ。 実際、連日九時過ぎまで頑張ってやって、 それでも試験運用を開始できたのは、木曜日のお昼前からだったという。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加